私たちは、子どもたちが「知識創造社会」で活躍するために必要な「アーキテクチャル思考」を身につけるため、5つのコンセプトに基づいた教育を提供します。
.ハーバード大学のハードガードナー教授が提唱する「マルチプルインテリジェンス」論によると、人間の脳は生まれながらに8つの「インテリジェンス」、つまり「知性」を持っているといいます。
問題を論理的に分析したり、数学的な調査を実行したりする知性のこと。論理的インテリジェンスが優れている子どもは、教科書の内容が基礎問題から応用問題へと、徐々に難易度が上がっていくのに合わせて、順序立てて学ぶのが適しています。
空間を視覚的に認識する知性のこと。視覚的インテリジェンスは、目で覚えることに長けています。たとえば単語を覚えるとき、文字の形や字面といったイメージでインプットすると、よく覚えられるタイプです。
音楽にまつわる知性のこと。聴覚的インテリジェンスに優れている子どもは、耳で学ぶのが得意です。英単語を発声しながら覚えたり、授業の内容をくり返し聞いて理解したりするのが適しています。
自分自身を理解する知性です。内面的インテリジェンスに長けていると、一人で机に向かって、黙々と学ぶことができます。
他者のことを理解し、円滑に付き合っていくための知性のこと。外面的インテリジェンスは、誰かと一緒に学ぶことを得意とします。学習するとき、周りの誰かに問題を出してもらったり、友達同士で内容を確認し合ったりするのが適しているタイプです。
問題を解決したり、何かをつくり出したりするときに、身体全体を使う知性です。身体的インテリジェンスが優れている子どもは、身体を動かしながら学ぶのが適しています。
さまざまな知識を比較、検討して、問題を解決する知性です。いろいろな解釈がありますが、自然から学ぶのが得意な子どもは、この博学的インテリジェンスが優れているといえます。登山をしながら生えている植物の名前を覚えたり、旅行に行った先で特産物を覚えたりするタイプです。
話し言葉と書き言葉に関する知性のこと。言語的インテリジェンスに長けている子どもは、教科書の文章や教師の話など、言葉を通して学ぶことが得意です。
この「8つのインテリジェンス」は、人によって組み合わせや強弱が異なり、個性があります。ということは、人それぞれ最適な学習スタイルは違うということ。より効率よく学習するためには、一人ひとりが最適な学習スタイルで学ぶことが重要です。しかし、日本の一般的な教育スタイルは、座って黙々と教科書に沿った学習をしていくという「言語的インテリジェンス」や「論理的インテリジェンス」、「内面的インテリジェンス」に偏った方法をとっています。だから、それ以外のインテリジェンスが強い人は「勉強が苦手」というレッテルを貼られてしまうのです。そこで私たちは、一人ひとりの学び手が持つ「インテリジェンス」を見極め、個性にあったスタイルで学習できる環境を整えました。自分に最適なスタイルで学習すれば、学習意欲や学習効率はどんどん高まっていくはず。そしてそれは、その人ひとりひとりの個性を育むことにもつながっているのです。
.私たちは、小学校から大学受験、社会人になってからも、一貫して教育を行っていきます。それは、教育には「旬」というものがあるから。たとえば、「9歳の壁」と表現されるように、小学校3年生までは豊かなインプットが大切な時期です。とくに、五感を通したインプットが重要だといわれています。つまり、教室や家で黙々と勉強するのではなく、山へ登ったり、海で泳いだり、博物館や美術館に出かけたり……。さまざまな「いいもの」を脳にインプットするべき時期。この豊かなインプットによって「具体的思考力」が育っていきます。「9歳の壁」を越えた後は、「抽象的思考力」を身につける時期。算数の授業で小学校4年生から文章題が多くなるのも、具体的に学んだ計算方法を使って、より抽象的で複雑な問題を解く力を育てるためです。
小学生のうちに豊かなインプットができていれば、中学生になったとき「学びの型」を作ることができます。中間試験や期末試験といった目標に向けて「学びの型」を作っていくことで、自立した学習ができるように。この「学びの型」づくりは、とても大切なことです。「学びの型」がしっかりできていると、高校生になったとき自分の思い描いた夢や目標に向かって、自由に学習することができるようになります。
大学受験に関しても、どの大学のどの学部に行けば、自分の夢や目標を叶えることができるかを考えて、自発的に勉強できます。もちろん、大学生になってからも学びは続くもの。就職活動を通したキャリア教育も大切です。社会に出るにあたり、自分の夢や目標を再確認したうえで、行きたいと思う企業の就職試験に受かる力を身につけていきます。
日本の教育は、大学生までで終わってしまうことがほとんど。でも本当は、社会人になってからの方が、より学びが重要になります。それぞれが伸ばしてきた個性を社会のなかでどのように役立たせるのか、それを学んで実践することで、対価が返ってきます。これからは「学歴」ではなく「学力」、すなわち自ら学ぶ、及び実行する力を重視する時代。学び続ける力を育てるために、学びの場をつくり、一貫教育を意識し、小学生・中学生・高校生・大学生そして大人にまで積極的に教育を提供しています。
.今、夢を持たない子どもたちが増えています。でも社会に出たとき、いきいきと楽しく生きていくためには、夢を持つことは不可欠です。だから、子どものうちから自分の夢や目標を明確にしておくことが大切。フューチャーマッピングをはじめ、様々な方法を用いて、自分の夢や目標について真剣に考え、それを叶えるまでの計画を具体的に立てていきます。
.教育の根底にあるのは、子どもたちの「セルフエスティーム」を高めていくこと。「セルフエスティーム」とは、「自己重要感」のことです。自分は重要な存在だという実感を身につけることが、自信へとつながっていきます。もし、自信を持たないまま社会に出てしまったら……、「どうせ自分には何もできない」と思い込んで、何事にも挑戦できなくなってしまいます。
ただ、いきなり自分を信じるのはなかなか難しいもの。まずは、自分の可能性を信じることから始めます。子どもたちが持っている可能性についてしっかり言及してあげれば、自分の可能性を信じる力が芽生え、本物の自信へとつながっていきます。
.こうした教育コンセプトによって、子どもたちの「4つのQ」が育っていきます。
IQはすなわち知能指数、「知的インテリジェンス」のこと。まずは、しっかり知識をインプットすることが 第一です。EQは心の知能指数と呼ばれる「情緒的インテリジェンス」。自分を信じる心を育てていくことも重要です。そしてPQは「身体的インテリジェンス」。SQは、「社会的インテリジェンス」と「精神的インテリジェンス」の二つの要素を併せ持っています。
4つのQをしっかりと育んでいくことで、社会に出たとき自分の能力を最大限発揮できるようになります。